2013年2月13日水曜日

台湾のTSMC、1月売上高は前年比37%増  日本のLSI大手は赤字 だけどきっと来年は・・・

台湾のTSMCはこの不景気の中、2013年1月の売上高を37%も伸ばしたそうです。→http://jp.ibtimes.com/articles/40467/20130208/1360309021.htm

日本の大手LSI製造メーカーは減収減益の軒並み赤字ですから、単純にシェアを奪われたいうことです。世界的に、緊縮財政が続いており景気の先行きが見えません。そんなかアベノミクスで積極財政に打って出た日本と、シェールガス革命で盛り上げるアメリカだけが世界経済を引っ張っていける可能性がでてきました。

国内メーカーはもう少しの辛抱だと思います。お金に余裕が出さえすれば、現在泣く泣く諦めたイノベーションの数々が陽の目をみるはずです。

今の抑圧された20代、30代が管理職になる頃は、きっと日本は劇的に成長します。自分の回りにも良いアイデアを持っている人はいくらでもいるので、けっこう楽天的に考られます。

1年後、2年後はきっと素晴らしい商品やサービスが日本から発信されるはずです。そのヒントの一つである、メーカーズ(クリス・アンダーソン著)を読みながらそんなことを思いました。

2013年1月13日日曜日

「ウィンテル」シェア低下歯止めかからず


お金を刷っているとまで言われた「ウィンテル」連合も盤石ではなくなっているようです。

『米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」と米インテルの半導体を搭載したパソコン(PC)は今年もタブレット端末とスマートフォン(高機能携帯電話)に市場シェアを奪われる見込みだ。市場調査会社、カナリスが指摘した。カナリスによると、コンピューター市場でいわゆる「ウィンテル」機のシェアは今年65%と、2012年の72%から低下する見通し。デスクトップとノート型PC、ネットブックを合わせた出荷台数は昨年10~12月期(第4四半期)に前年同期比10%前後、減少した。 続きはSankeiBiz記事“ウィンテル”PCシェア低下 スマホなどに奪われ今年65%予想 

数年前までは、WindowsとIntelのシェアが低下することなんて、まったく考えられませんでした。そのシェア減少が、スマホとタブレットの普及とともに現実に起こってきてます。

かつて、自分たちが興した創造的破壊行為に襲われる立場となったようです。一度このスパイラルに入ると抜け出すのは容易ではないです。手元にある資産をつかって、なりふり構わず投資戦略を仕掛けてくるはずです。自分たちが創造主にならなければ、駆逐されるばかりですから。

これからもPCの需要は必ずあると思いますが、Windowsやintelじゃなくても、iOSやAndroid、UbuntuのOSを使って、ARMベースのパソコンが登場&普及するのも時間の問題です。新規プレイヤーはスマホやタブレットを使って、着々と新しいノウハウを積んでいきますので、今までのやり方を変えられない文化をもっている既存のメジャー企業は、追い越されることは歴史が証明しています。

巨大企業でも創造的破壊の被害を最小限に抑えて、自分たちがまた新しい市場を開拓し生き残っている老舗企業もあります。WindowsやIntelはどちらになるのか、日本企業と関わりが深い両者なだけに注目です。両者とも新しい市場を喉から手が出るほど欲しがっていると考えると、両者の文化を壊すことなく挑戦できるノウハウを持ってる企業はチャンス到来です。


2013年1月12日土曜日

新たな半導体市場創造のために 「Tech-On記事:ビッグデータ解析に必要な半導体とは?」

半導体分野では「ビッグデータ解析」が次の成長市場として期待されています。ビッグデータを解析するためにはマイクロプロセサに加えて、高速かつ大容量の新型メモリが必要になるからです。先日、中央大学 教授の竹内健氏が弊社主催のセミナーでこのことについて触れていました。 
続きは→Tech-On記事:ビッグデータ解析に必要な半導体とは?


「ビッグデータ」解析に新たな半導体が必要との記事。一例として笹川トンネルの事故を例に、ビッグデータを解析すれば未然に防ぐことができたかもしれないとの指摘。

ビッグデータ解析に必要なのは常に最新の情報をインデックス(登録)する必要があり、ランダムアクセスが早い半導体が求められ、現状のNANDでは不足している。代わりにMRAMやReRAM、PRAMが求められているとのこと。

「ビッグデータ」の価値は十分理解できる。現在限られたスーパーコンピュータ設備でしか取り扱えな「ビッグデータ」が、半導体の発展により取り扱いが容易になれば、トンネル事故に限らず、渋滞緩和や適正な在庫調整など社会や産業界への貢献度は計り知れない。

しかし、MRAMやReRAM、PRAMといった新規メモリー候補がビッグデータに使用される可能性は低いと言わざるを得ない。ビッグデータを解析するのに必要なメモリ容量を考えた場合、NAND以外の半導体ではコスト的に難しすぎる。今後、新規メモリーが発展するアプリが開発され10年単位で生産が進めば、NANDの代替として使用される可能性はあるが、設備投資が下がる一方の現在の世界の経済状態では無理であろう

そうであれば、記事の最後にあった通り、現状のNANDを使いこなすための周辺回路、アプリの開発を進めることが妥当である。こちらの分野に日本人が少ないのは確かに寂しいが、逆に考えると日本国内ではライバルが少ないとも言えるので、積極的に参加するチャンスかもしれない。

2013年1月11日金曜日

年始に「伊勢の「金座」遷宮、経済の時代へ」を読んで

ロイターに素晴らしいブログがあったので紹介したい。


ある国内証券のマーケットアナリストが、伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)と経済との関係性について興味深い説を話してくれた。式年遷宮とは、20年に一度社殿を建て替え、御装束や神宝を新調して、御神体である神儀を新宮へ遷す日本で最も重要な祭儀の一つだ。


続きは→ブログ:伊勢の「金座」遷宮、経済の時代へ 杉山容俊


伊勢神宮の遷宮と経済の関係について述べたもので、少し苦しい部分もあるが概ね世相を繁栄しているので、なるほどと思える指摘である。

昨年までと違い、干支や故事になぞらえて新しい時代が始まる予感を感じさせる挨拶や慶文が多く、今年の正月は晴れやかに過ごすことができた。

半導体業界も長らく続く低迷に終止符を打ち、新しい市場を創造するような製品が続々でてくることを期待したい。

株価が上がって、税金対策のため設備投資や研究開発費の増額、今までだったら商品化をストップさせる規格が通ることが多くなれば、自分たちの生活が豊かになる製品が生まれてくるはずだ。


2012年12月18日火曜日

「ホール・センサー世界で最も売れているのが日本市場」独Micronas社会見

同社は1968年の創業で、1995年にはCMOSのホール・センサーを開発した(図1)。これが、現在の主力製品になった。全売上高に占めるCMOSホール・センサーの割合は90%以上を超える。Bopp氏によれば、世界のホール・センサー市場における同社のシェアは約3割で、車載用に限れば、そのシェアは7割に達するという。
(中略)
Bopp氏によれば、同社の製品が広く自動車で使われている第1の理由は、高い信頼性にある。不良品率が1ppmを大きく下回り、いわゆるゼロ・ディフェクトを達成している。それを支えるのは、自社工場での一貫生産と、最新の設計環境だという。
ホールセンサとは、磁界を検出しその大きさに比例したアナログ信号を出力する半導体。 ホールセンサの出力は、オンオフのデジタル信号に変換後、ブラシレスモータのロータ位置信号として使用される。

自動車会社が求める半導体の不良率はゼロ。ルネサスも相当苦労しているらしい。しかし、Micronas社はゼロ・ディフェクトを達成しているらしい。

自社工場での一貫生産と最新の設計環境がそれを支えているとのことだが、これは非常になっとくできる。アウトソース全盛の今では、製品トータルの不良率をゼロ・ディフェクトまで持っていくのは非常に困難だからだ。

自社での一貫生産を行う中小半導体メーカーが沢山できることが、日本半導体復活の一つの方法だと考える。

2012年12月17日月曜日

iSupple発表 2012世界半導体売上高2.3%減少


米IHS iSuppliが現地時間2012年12月14日に公表した世界の半導体売上高推計によると、2012年の年間売上高は2011年の3100億ドルから約2.3%減少し、3030億ドルにとどまる見通し。2011年における売上高は前年比1.3%増だったが、2012年は大きく落ち込み、2年前の水準も下回ると同社は予測している。
 IHS iSuppliが予測する2012年第4四半期(10~12月)の半導体売上高は、前の四半期比で0.7%減。同社によると、半導体市場の成長は消費者支出に依存するところが大きい。年末商戦の最終結果はまだ出ていないが、消費者市場における販売低迷への圧力は弱まる兆候はないという。このまま景気が回復しなければ、第四半期の売上高は現在の予想値を下回り、年間売上高はさらに落ち込む可能性があると同社は予測している。

2012年の半導体売上は前年度を下回った。これから更に落ちる可能性も十分にあると考える。世界中どこを見ても不景気だ。小さくて安い物ばかりが売れて、業界全体への波及効果は少ないように思える。

昨日選挙で大勝した自民党が本当に経済対策に乗り込んでくれることを切に願う。世界を救えるのは現金が余っている日本しかない。日本と中国がお金を使わないことが世界的恐慌状態の原因だと思えるからだ。

2012年12月16日日曜日

台湾TSMC関連 半導体受託生産 独走態勢継続  


台湾TSMC、半導体受託生産で「独り勝ち」 4300億円で新工場、スマホで強み


半導体の受託生産で世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)がスマートフォン(スマホ)の頭脳となる半導体で攻勢を掛けている。今年着工した2工場に加えて、1500億台湾ドル(約4300億円)超を投じて新工場を建設する。パソコン向けが不振の半導体世界最大手、米インテルなどとは対照的な積極投資。受託生産市場での「独り勝ち」の構図が一段と鮮明になってきた。 日経新聞:http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM14078_V11C12A2FF8000/?dg=1


現在でも、ファンダリー業界でダントツのTOPシェアをほこるTSMC。売上高のおけるシェアはほぼ50%と2位UMC12%の4倍以上の規模となっている。

何故TSMCがこんなに強いのか。答えの一つとしては、ファブレスメーカーの要求に応えられる圧倒的な生産規模と歩留りよりもコストを重視する体制にあるのではないか。


そして、ファブレスが流行となるシステムを構築したこと。その先行者利益を奢らず順調に伸ばしていることが今の地位を固める基盤となっているように思える。
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